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飛ぶ鳥を止めるシャッター速度は?
カメラ、レンズ、鳥までの距離、鳥の種類を選ぶと、そのシャッター速度で羽先と鳥全体がどれだけぶれるか、ブレを止めるのに必要なシャッター速度、そして連写で羽がシャープに写るコマの頻度がわかります。
撮影の設定
レンズ一体型カメラ:35mm 判換算の焦点距離を入力してください(望遠端で P1000 は 3000、P950 は 2000、RX10 IV は 600)。
クロップはフレームの周りを切り落とすだけです。ピクセルの大きさは変わらないので、ブレも変わりません。
羽ばたきの途中の羽先
–のブレ
鳥全体が横切る
–のブレ
- 羽先を
ピクセル単位で シャープに写す シャッター速度 (1 px) - 羽先を
画面で見て シャープに写す シャッター速度 (3 px)
推定値です。100%(写真の1ピクセル=画面の1ピクセル)で見たときのブレを表します。
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計算のしくみ
鳥に合わせて流し撮りすると、鳥の体はフレームの中でほぼ止まり、残るブレは羽ばたく翼から生まれます。ここでは、どの鳥も翼が 100° の弧を描き、その鳥の羽ばたきの回数で上下するものとして計算します。羽先がいちばん速いのは打ち下ろし・打ち上げの途中で、上端と下端では一瞬止まります。この羽先の速さを、距離から求めたレンズの撮影倍率とカメラのピクセルの大きさでセンサー上のピクセル数に換算し、100% 表示でのブレとして示します。「カメラは固定」の行は、羽ばたきの代わりに鳥の巡航速度を使い、動かないカメラの前を鳥が横切る場合を計算します。実際の鳥は加速し、滑空し、旋回し、飛び立つときにはもっと強く羽ばたくので、どの数字も目安として見てください。
数値の出典
カメラのセンサーサイズと画素数は、各メーカーが公表している仕様です。翼の振り幅は、どの鳥も 100° としています(推定。速度によって 80〜130°、Park et al. 2001)。「推定」とある値は推定値です。出典の多くは英語です。
- アオサギ:翼開長 1.85 m(RSPB)、巡航速度 11 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 2.7 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- アカオノスリ:翼開長 1.24 m(All About Birds)、巡航速度 13 m/s(ノスリの値から推定、Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 3.5 回(ノスリの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- アカトビ:翼開長 1.85 m(RSPB)、巡航速度 12 m/s(Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 2.6 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- アジサシ:翼開長 0.78 m(All About Birds)、巡航速度 11 m/s(Pennycuick et al. 2013)、羽ばたき 毎秒 4.6 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- アメリカチョウゲンボウ:翼開長 0.56 m(All About Birds)、巡航速度 11 m/s(ヒメチョウゲンボウの値から推定、Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 5.5 回(ヒメチョウゲンボウの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- アメリカハイイロチュウヒ:翼開長 1.1 m(All About Birds)、巡航速度 9.1 m/s(ハイイロチュウヒの値から推定、Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 3.6 回(ハイイロチュウヒの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- オオアオサギ:翼開長 1.84 m(All About Birds)、巡航速度 11 m/s(アオサギの値から推定、Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 2.7 回(アオサギの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- オジロワシ:翼開長 2.2 m(RSPB)、巡航速度 14 m/s(Pennycuick et al. 2013)、羽ばたき 毎秒 2.6 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- カナダガン:翼開長 1.49 m(All About Birds)、巡航速度 17 m/s(Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 4 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- カナダヅル:翼開長 2 m(All About Birds)、巡航速度 15 m/s(クロヅルの値から推定、Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 3.1 回(クロヅルの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- コブハクチョウ:翼開長 2.23 m(All About Birds)、巡航速度 16 m/s(Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 3.7 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- シロカツオドリ:翼開長 1.82 m(All About Birds)、巡航速度 18 m/s(大きさと体重から推定、Alerstam et al. 2007)、羽ばたき 毎秒 3.9 回(Krishnan et al. 2022)。
- セグロカモメ:翼開長 1.4 m(RSPB)、巡航速度 13 m/s(Pennycuick et al. 2013)、羽ばたき 毎秒 4 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- ダイサギ:翼開長 1.38 m(All About Birds)、巡航速度 10 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 3.1 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- チョウゲンボウ:翼開長 0.76 m(RSPB)、巡航速度 13 m/s(Pennycuick et al. 2013)、羽ばたき 毎秒 5.2 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- ツバメ:翼開長 0.31 m(All About Birds)、巡航速度 11 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 8 回(Park et al. 2001)。
- トビ:翼開長 1.45 m(Naturalis)、巡航速度 12 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 2.7 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- ノドアカハチドリ:翼開長 0.1 m(All About Birds)、巡航速度 7.8 m/s(大きさと体重から推定、Alerstam et al. 2007)、羽ばたき 毎秒 53 回(All About Birds)。
- ハクトウワシ:翼開長 2.04 m(All About Birds)、巡航速度 14 m/s(オジロワシの値から推定、Pennycuick et al. 2013)、羽ばたき 毎秒 2.6 回(オジロワシの大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- ハヤブサ:翼開長 1.05 m(All About Birds)、巡航速度 12 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 5.2 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- マガモ:翼開長 0.89 m(All About Birds)、巡航速度 19 m/s(Alerstam et al. 2007、レーダー観測)、羽ばたき 毎秒 7.1 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- ミサゴ:翼開長 1.65 m(All About Birds)、巡航速度 11 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 3.2 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
- メンフクロウ:翼開長 0.88 m(RSPB)、巡航速度 11 m/s(大きさと体重から推定、Alerstam et al. 2007)、羽ばたき 毎秒 4.4 回(Krishnan et al. 2022)。
- ヨーロッパアマツバメ:翼開長 0.45 m(RSPB)、巡航速度 11 m/s(Bruderer & Boldt 2001 のレーダー観測値(Alerstam et al. 2007、Protocol S1 所収))、羽ばたき 毎秒 8 回(大きさと体重から推定、Pennycuick 1996)。
連写して、いちばんシャープな1枚を残す。無料の連写ピッカーを使えば、連写の中で鳥がいちばんシャープなコマがわかります。Mac アプリの BirdFrame は、何千枚もの野鳥写真の鳥を一度にトリミングするので、手作業でトリミングする必要はありません。どのトリミングも元のフルサイズの画像から、フル解像度のまま切り出します。連写は1つの Moment にまとまり、いちばんはっきり写った鳥が表示されます。1回50枚まで無料、それ以上は1回限りの購入(買い切り)です。Mac App Store、macOS 15 以降。※ アプリの画面は英語表記です。
よくある質問
飛んでいる鳥には、どのくらいのシャッター速度が必要ですか?
何をシャープに写したいかによります。流し撮りで鳥の体を止めるなら、1/2000秒前後から始める野鳥カメラマンが多いです。羽ばたきの途中の羽先まで止めるには、ずっと速いシャッターが必要になることがあります。長さ 0.9 m の翼が 100° の振り幅で毎秒2.5回羽ばたくと、羽先は最大で秒速約 12 m に達し、近距離では 1/8000秒以上が必要になることもあります。上でカメラ、レンズ、距離、鳥を設定すると、その撮影に必要なシャッター速度がわかります。
目はシャープなのに、なぜ羽先がぶれるのですか?
流し撮りで打ち消せるのは鳥が飛ぶ動きで、羽ばたきは打ち消せません。羽ばたきの途中、羽先は体の横を秒速数メートルで上下しますが、頭はレンズに対してほとんど動きません。そのため、目はシャープで羽先だけがぶれたコマができます。動きが伝わるので、羽先の少しのブレをあえて好む人も多くいます。
連写速度を上げると効果がありますか?
あります。羽ばたき1回につき2回、打ち上げの上端と打ち下ろしの下端で、翼は向きを変えるために一瞬止まります。1コマごとにその瞬間の近くを捉えるチャンスがあるので、毎秒のコマ数が多いほど、羽がシャープに写ったコマが増えます。難しいのは、ほとんど同じに見える何百枚の中からそのコマを探すことです。無料の連写ピッカーなら、連写ごとに鳥がいちばんシャープな1枚を見つけられます。
なぜ距離と焦点距離が関係するのですか?
ブレはピクセル数で数えるので、フレームの中で鳥が大きいほど、翼が 1 cm 動くあいだに横切るピクセルも多くなります。距離を半分にするか焦点距離を2倍にすると、鳥の大きさと一緒に、同じシャッター速度でのブレもほぼ2倍になります。同じ理由で、ピクセルの小さいカメラほどピクセル単位のブレは大きくなります。フルサイズ機の APS-C クロップはフレームの周りを切り落とすだけなので、ブレは変わりません。
1 px と 3 px のブレとは、どういう意味ですか?
シャッターが開いているあいだに鳥の一点が写真の上でどれだけ流れるかを、写真のピクセル数で数えたものです。100%(写真の1ピクセルを画面の1ピクセル)で見たときの値です。1 ピクセル以下なら、センサーが写せる限りシャープな「ピクセル単位でシャープ」な状態です。3 ピクセルくらいまでなら、拡大しないとほとんどわからず、画面や Web 用に縮小すればたいてい消えます。どちらも目安で、厳密な境界ではありません。
こちらも無料:リーチ計算ツールで、カメラ、レンズ、距離から鳥にかかるピクセル数がわかります。
カメラ別の目安:EOS R7 · EOS R6 Mark II · Z8 · α7 IV · OM-1 Mark II